月田清博さんが日中に築く美の掛け橋

第32回
中国の美容師は?

日本の美容師については、前回書かせて頂きました。
では、中国の美容師は、どういう仕事なのでしょうか?
中国にも美容学校はあります。
そして、資格制度も存在します。
しかし、日本に比べると、教育のシステムが非常に遅れています。
美容学校で、短期間学んだ後、美容室に就職します。
日本の美容学校を卒業した生徒さんですら、
現場では通用しませんので、
中国の美容学校を卒業したレベルでは話になりません。
まずは、就職した後、一番下のアシスタントから始めるのですが、
このクラスは、ほとんど寮に入ります。
田舎から出てきていますので、住むところが無いのです。

シャンプーまでは、どうにか教えてもらえますが、
その後の教育はほとんどありません。
「見て覚えろ式」です。
教育の基本が「見て覚えろ」ですので、なかなか、
上の仕事をさせてもらうことは出来ません。
上の仕事が出来なければ、給料があまり上がりません。
美容の仕事が、好きだからと言う理由で、就職した訳ではなく、
生活の為、食べて行く為という、理由が多いため、
この段階でどんどん辞めていきます。
又、名前ではなく番号で従業員を呼ぶお店も、多くあるので、
自分と言う人間が、必要なのかどうなのか、
分からなくなる事も、離職の原因のひとつかも知れません。

上の段階に上がるひとつの手段として、
勤めている美容室を、定期的に離職する場合もあります。
そして、一度やめて、もっている技術を
如何に高く売るかを考えます。
ですので、面接時のアピールはすごいものがあります。 
中には「施術したことがある技術」を
「非常にうまい技術」の様にアピールする場合さえあります。

美容室のオーナーも、なれたものです。
多くの人が離職するのですが、
多くの人がすぐに、求人に応募してきます。
本当に、あっという間に、従業員の入れ代わりが起こります。
よく聞く言葉が「中国は人が多いから!」なのです。
やめても、やめても、人がすぐ来るので、
危機感がまるでありません。
けれども、腕のいいスタイリストに関しては、別の話です。
教育の不備と、人材の定着の悪さの関係で、
「上手いスタイリスト」は少ないのです。
日本と同じように、美容師人口は、
ピラミッド型になっていますが、離職理由は若干違いますし、
裾野の広がりは日本の何十倍もあります。
割合としては少ないのですが、一部の、美容が好きでしょうがない
美容師たちは、日本と同じように頑張っています。
又、いい教育を受けることの出来る場合の
吸収力は、日本人以上なのではないでしょうか?

水質の悪い、中国では、どこの会社にもこのような、
給水器が設置されています。
冷たいお水だけではなく、お湯も出るので非常に便利です。


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2006年4月20日(木)

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