月田清博さんが日中に築く美の掛け橋

第33回
領収書下さい!?

領収書を貰うのに、苦労したことはありますか?
美容室でも営業する上で、経費は発生します。
特に、新規出店の際は、領収書が山の様になります。
又、山の様にするのも大変です。

中国で、領収書を確実に手に入れるのは、
かなりの努力が必要です。
理由をご理解頂くため、ちょっと回り道をして頂きます。
日本と中国とでは、会計制度が少し違います。
基本的な概念は、ほとんど変わりは
ありませんが、細かな部分が違います。
この細かな部分が、実は大変なのです。
まず、中国では売り上げに対して税金がかかります。
利益が無くても、必ず徴収されます。
業種によって多少違いがあるのでしょうけれど、
美容室の場合は約5%強、かかります。
日本の会社では「税金は払うもの」
と考えていると思いますが(そうでも無い?)、
中国では、あまり払いたくないと
考えている会社が多いようです。

役所も頭がいいですから、
きちんと売り上げを把握しようとします。
把握する根拠となるもののひとつが、領収書なのです。
領収書は役所で会社が購入します。
文具店などでは購入できません。
又、シルバーの部分をコインでこすると、
下から「くじ」が出現します。
金額が書いてある場合は、現金がもらえます。
なぜ?領収書にくじが?と思われるでしょうけれど、
出来るだけ、消費者が領収書を請求するようにとの、
役所のアイデアなのです。
領収書は役所で購入しますので、
消費者が、領収書を請求したものは金額が把握できます。

そうです。
領収書を発行するということは、
税金を払うということです。
日本ではレシートなどでも、会社の経費と認められますが、
中国では領収書以外は、まったく認められません。
きちんとした会社は、何も言わなくても領収書を、
発行してくれますが、発行しようとしない(したがらない)
会社が結構多いのです。
交渉で金額が確定していても、領収書を請求すると、
「税金の金額分だけ、上乗せしてほしい」
と言われる事もよくあります。
再度、交渉します「半々にしましょう!」とか・・・

日本ではありえませんね!

*中国でも、きちんとした会社は、急激に増えています。
しばらくすると、こんな苦労も無くなるのではないでしょうか?

一般的な、飲食店の領収書です。
矢印のところをコインでこすります。
このお店では、食事も非常においしく、
領収書も気持ち良く頂きました。


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2006年4月22日(土)

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