中国民俗研究家・上田尾一憲が語る、中国民俗の魅力

第8回
小皇帝誕生!!

中国でも昔から子供は一番の宝であり
多ければ多いほど幸せであるとされています。
しかし、皆さんもご存知の通り、中国では
1979年から「一人っ子政策」が本格的に始まりました。
この人口抑制の為の政策は、なんと今から約2000年前の
前漢時代にも存在していたようです。
当時経済が急激に発展し、人口増加も著しく漢王朝は
人口抑制の為、二人目を出産した場合に、
税金を課した時期が少しの間ですがあったみたいです。

現在一人っ子政策に違反した夫婦は
各所在地区労働者の平均年収の3倍を
罰金として支払わなければならず、
それにも懲りず3人目を生んでしまった
場合には4〜6倍の罰金を課せられます。
しかも、その罰金は3年以内に納入しなければ
ならず、初年度は最低でもその40%を
納めなければいけません。もし3年以内に
払う事ができなければ、未納金額に対して
一日あたり0.5%の滞納金を取られるという
ものすごく厳しいものになっています。

また、この政策では多くの「皇帝」を誕生させたのです。
なぜ「皇帝」かと言えば、
一人しか子供がいないのですから、両親はもちろん
両親の祖父母計6人が子供をまるで皇帝のように
待遇しているからです。
彼ら「小皇帝」には6つの財布があり、財政的にも
豊で、買い物をする時にも1人の子供に6人の
大人がついている光景も見られるのです。
そんな理由からか、最近は丸々とした体つきのいい
子供達が増えているように思えます。

一人っ子政策があろうとなかろうと、
子供は昔からどんなに珍しい宝物よりも
大切な本当の※「无价之宝」なのです。

※中国の熟語
无价之宝 wu jia zhi bao
非常に貴重な品物、値段のつけようもない宝。


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