中国民俗研究家・上田尾一憲が語る、中国民俗の魅力

第19回
子供ができたら・・・

その走婚によって婚姻関係が結ばれた
2人の間に子供が出来きると
女性のお腹が大きくなってきますので
それには皆気付いてしまいます。
女性は母さん達に聞かれ、走婚している事を話し
相手の男性を家族に紹介するのです。
男性もその時には沢山の手土産をもって
あいさつに行くのが常識だそうです。

そして、間もなくして
2人の間にめでたく子供が生まれました。
この生まれた子供を育てるのは、
女性とその女性の家族であり、
男性は自分の子ではありますが、
その女性を扶養する必要もありませんし、
子供を育てる義務もありません。

一般的にその女性の兄弟、
つまりおじさんが中心となり
生まれて来た子供に厳しくこの社会のルールや
モラルなどを教えるのです。
子供はこのおじさんから
いつも厳しく教えを受けていますから
モソ人達は、人の物を盗んだり
すぐに喧嘩をしたりする人は
あまりいないらしく、
夜も扉にカギをかけなくても
大丈夫なのだそうです。

女性との間に子供が出来ても
男性はめんどうを見なくていいので
楽だと思う人がいるかもしれませんが、
自分の子供のめんどうを見る代わりに
男性は自分の姉妹の子供を
しっかりと教育しないといけないのです。
その子供を育てる上で、なにか問題があっても
夫の男性と相談する事はほとんどなく
女性の家族で問題を解決するのが普通だそうです。

日本であれば、子供の事はお父さん
お母さんの2人が中心となって考えますが
走婚の習慣があるこの地域では
ちょっと違うみたいですね。


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