中国民俗研究家・上田尾一憲が語る、中国民俗の魅力

第74回
超ロングセラーの理由。

結局のところ「孫子」の「孫」さんとは
誰なのでしょうか。
実は以前このコラムで少し触れた事があるのですが、
今回は少し詳しくお話しましょう。
「孫子」とはあの呉越の戦いで活躍した
呉の国の王、夫差(ふさ)の父である
闔廬(こうりょ)に仕えていた
孫武(そんぶ)という人によって書かれたと言われています。

しかし、それと同時に孫武ではないという説もありました。
孫武が活躍した時代から百数十年後に
孫臏(そんびん)という人物がすばらしい兵法書を残したと
あの司馬遷の「史記」の中に記してあったのです。

2人の内、どちらが「孫子」であるのか中国では
長い間議論されてきましたが、1972年に山東省で、
1996年に陜西省の西安で※竹簡が発見され
そのなかに、「孫子の兵法書」と
「孫臏の兵法書」に関する記述があり
それらから現時点で作者は「孫武」であろうとされています。

※ 竹簡(竹の小札に文字をかきしるしたもの。)
孫子の兵法書以外にも
「呉子」、「司馬法」、「尉僚子」、
「六韜」、「三略」、「李衛公問対」と孫子の兵法書と
共に武経七書と呼ばれる兵法書が存在しますが、
今でも多くの人々に
愛読されているのは孫子の兵法書くらいです。
確かにそれらの兵法書もすぐれた書なのですが、
当時の実利を優先していたため
どれも現在では通用しない物となっているのです。

しかし、孫子の兵法書は当時も現在でも通用する
原則のようなものを記していますので、
2500年以上もたった今でも多くの方が愛読しているのでしょう。

---陶朱公館ヤムチャシリーズ紹介---
今回紹介する飲茶は
家乡葱花饼(ジアシィアンツォンホァビン)6元(現在昼のみ半額)

この素朴な味・・・昔どこかで食べたことのあるような
懐かしい気持ちにさせてくれます。
非常にシンプルな味なので、ちょっと醤油をつけて
食べてみてください。ネギとほんのり焦がした皮の
香がたまりません。目を閉じて食べると
そこには田舎の風景が広がります。是非!!


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2006年10月3日(火)

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