中国民俗研究家・上田尾一憲が語る、中国民俗の魅力

第85回
勝ち方。

百戦百勝は善の善なる者に非るなり。
戦わずして人の兵を屈するは、善の善なる者なり。
孫子の兵法書、第三篇 謀攻篇にこのように
記されてあります。
武力戦にて100回戦って100回全て勝ったとしても
それは最善の勝ち方ではありません。
戦わずに相手を屈伏させるのが最善の勝ち方という意味です。
そして、これに続いて記されてあるのが

上兵は謀を伐つ
最善の方略とは、相手の戦略を見抜き、
謀略を見破って相手を無力化して降伏させることである。
戦う前に相手の事を良く調べ、何を考えているのかを知り、
相手からの謀略も全て見破り、
心理的に相手を痛めつけることによって、
降伏へと導いて行くのがよいのです。

其の次は交わりを伐つ
その次は、相手の外交関係を断ち切って孤立化させること。
最善の方略ができないのであれば、相手国の同盟関係を
断ち切って孤立化させることによって相手に心理的ダメージを
あたえ、降伏へと導くのがよい。

其の次は兵を伐つ
その次は、敵軍を野戦にて打ち破ること。
それでも駄目な時は、自分達が戦い易い場所へと
相手軍を誘い出して、野戦にて相手を叩く。

其の下は城を攻む
最悪なのは相手の城を攻める攻城戦をすることである
もうどうしても駄目な時は、しかたがないですが
相手の城を攻める事になってしまいます。
この城攻めは他に解決の方法がない場合にだけ
行うものであると孫武は言っています。

なぜならば、城攻めをするには
その為に城攻め用の戦車や兵器、その他資材の
準備には大変時間がかかります。
その準備を待ちきれずに、城攻めを開始してしまうと
城を落とすどころか、こちらの兵がみるみるうちに
減っていくことでしょう。
例えこれで勝ったとしてもどうでしょうか。
城もボロボロ兵士もボロボロ。
よその国に攻められた時には
ひとたまりもありません。


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2006年10月28日(土)

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