中国民俗研究家・上田尾一憲が語る、中国民俗の魅力

第86回
戦わずして勝つ。

前回で述べた勝ち方を見てみると
戦わずして勝つ事が最善であるという事が
わかると思います。そりゃそうですよね。
戦わずに勝てるのであれば誰でも
そうしたいですよね。

では、どうすれば戦わずして勝てるのでしょうか。
ここで一つ戦わずして勝ったお話をしましょう。
日本の戦国時代の大剣豪である塚原ト伝が
諸国漫遊中している時のある舟の中でのお話です。
その舟中で、しきりに「俺は最強だ!強いぞ!」と
自分の武芸自慢をする男がいました。

ト伝はその自慢話を居眠りをしながら
しょうがなく聞いておりましたが、
あまりのうっとうしさに耐えかね、
「あんたの考え方ではダメだね。俺も若い頃から
剣の修業をしているが、
一度も勝とうと思ったことはない」と
男に言いました。
男は「そんなバカな事があるか!武芸者たるもの誰だって
勝ちたいに決まってるじゃないか!」と大反発。

そしてト伝は「勝つことより負けないことが大切。
人を斬って勝つのは止むをえぬ最後の手段であり、
刀を振るうことは未熟の証拠」と男に言い返しました。
それを聞いた男はカンカンに怒り
「ならば刀なしで俺と勝負してみろ!」と言い
ト伝も「よかろう」とその勝負を受けたのです。
「舟中は狭いし人も沢山いるし勝負はできない、
そこの誰もいない小島で勝負をしてやろう」とト伝は言い
船頭に舟をその小島の岸に着けるように言いました。

続きは次回

------三全公寓内イタリアレストラン------

イル・ミリオーネのご紹介
北京三全公寓1階にあるイタリアレストラン
「イル・ミリオーネ」この名前の由来から
ご説明いたしましょう。

これはレストランに掛けてあるマルコポーロの画です。
マルコポーロが世界見聞の長旅に出かけ
その旅からやっと母国イタリアに帰りついた時、
彼はボロボロの服をまとっていました。

それを見た町の連中も結局一文なしになって帰ってきたかと
思っていたら、そのボロを脱いで裏地を剥がすと、
なんと金銀財宝がザクザクと出てきたと言われています。
そのお金で手に入れた豪邸は
百万長者の家(イル・ミリオーネ)
と呼ばれるようになったのです。
そしてレストランの名前を
イル・ミリオーネと邱永漢先生が名づけたのです。


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2006年10月31日(火)

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