儲かる経営は品質管理とコストダウンの徹底から

長期展望のもとで品質管理とコストダウンに惜しまず投資
「売れる商品」をつくることは商売を成り立たせるための第一の条件であるが、「よく売れること」と「よく儲かること」とは必ずしも一致しない。売れることが儲かることにつながるためには、コストを安くつくることが必要だし、販売に経費を食われないことも必要である。またアフターサービスにお金のかからないことも必要である。
すべて商品は開発までに一番お金がかかり、少量しか生産しないあいだは一個当りの単価が高くつく。量産が軌道に乗り始めると、単価はグンと安くなる。しかし、安くなった単価をさらに安くする努力をしなければ、競争に打ち勝ってはいけない。コストを安くするためには、第一は原料を安く仕入れることであり、第二にはお金のかからない構造になおすことである。そして第三には素材を変えたり、節約をしたりして原価率を下げることである。最後に人件費を減らして原価のなかで人件費の占める割合を引き下げることである。
どこの国でも、およそ商売にたずさわるほどの人ならそのくらいのことは常識である。ただし、知っていても実際にどのくらい実行できるかによって結果は違ってくる。日本人はおよそコストダウンになることなら、どんなことでも努力を惜しまないが、どちらかといえば、長期的展望を重視する。日本の経営者は自分の在任中に収穫をもたらさないとわかっていても、企業の将来のためになるとわかれば、巨大な投資を怖がらない。投資額が巨大すぎて年次決算が前年比悪化するようなことは極力避けようとするが、配当もできないような窮地に追い込まれることさえなければ、一か八かの勝負に出る。ふだんから内部保留を厚くして安定配当以外のボーナスを出さないことが多いから、一期や二期、実質赤字になっても配当金を捻出するには困らない。社運を賭けるような巨大投資でも怖がらないのだから、品質改良やコストダウンにつながる細かい投資には何の跡階も抵抗も感じたりはしない。最近はそうでもなくなったが、高度成長期の日本では、会社の工場を二、三年ぶりに訪問すると、別のところに連れてこられたのではないかと思うほど、建物の外観も、内部の設備も一変しているということが多かった。「なるほどこれが成長会社だな」ということがいっペんで納得できた。
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