横山典生  新米のベトナムビジネス物語

ベトナムの証券会社で
唯一最初の日本人社長です

第5回
望郷の思い

証券ライセンスを認可するSSCから
証券業の事前承認がもらえず、
証券会社の買収話しも難しいかな?と
認識しはじめたのが、8月上旬頃でした。

さすがに日本資本の皆様の気持ちも
萎えてきたように思ったので、
私は8月末までまってSSCから事前承認がもらえなければ、
このプロジェクトは止めませんかと提案しました。

その背景には、多少接触ができた現地弁護士が、
「SSCのお偉いさんが、
新しい証券会社は承認しないと明言している。」
といっていたことがあります。
弁護士はそのお偉いさんと知人(幼馴染)であり
よく情報交換しているとのことだったのです。
この点に関しては一般的な傾向からも想定できたので、
信用することにしました。

少し話は逸れますが、もし、ベトナム人から
政府系の知人とか友人とかの話が出たら
まずは疑ってかかったほうがいいかもしれません。
特にビジネスにおいては
十分に注意したほうがよいのではないでしょうか。

話は戻りますが、
プロジェクト撤退の提案については、
一同快く迅速に賛同していただきました。
物事がスムーズに行かない案件は
止めたほうがよいといった意見もでました。

証券会社で30年働き続け、
言われたことはどんな困難なこともやってきたつもりです。
(若い時代のノルマ営業はダメだったこともありますが・・・)

「ベトナムで証券会社作ってこい。」
との業務命令を受けたのですから、
「なんとかしろ」といわれたほうが気持ちはスッキリするのですが、
さすがに何もない状態からでは
ベトナムに証券会社を作るなんて無理だったのかもしれません。
最後の頼りだった現地パートナーも沈黙状態です。

それでは、愛する妻と息子のもとに帰りますか。
息子はまだ自転車に乗れないといってましたし、
キャッチボールもしなくてはなりません。
さて、忘れ物はないかな?


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2009年8月13日(木)

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