横山典生  新米のベトナムビジネス物語

ベトナムの証券会社で
唯一最初の日本人社長です

第6回
停滞と静観

最後の頼りだった現地パートナーも沈黙状態で
ベトナムに証券会社を作るなんて無理だったのかもしれないと
日本に帰る決心をしていました。

しかし、忘れものではありませんが、現地パートナーに
日本側資本の意思を伝えることが必要でした。

市場環境の急速な悪化により証券会社の新設は、
政府やSSCからも批判的であり、まず認可がおりないのではないか。
このような状態が続くことを日本側資本は憂慮するものである。
よって、8月末までに
証券会社設立に関する事前承認が受けられない場合は、
本プロジェクトの撤退も含め再検討することにする。
といった内容であったと思います。

事前承認とか認可とかいろいろ出てきましたので、
ベトナムにおける証券会社の設立までのプロセスを
簡単に説明します。

まず、
1.SSCへ設立申請書を提出

2.SSCからの求めに応じてビジネスプランを提出

3.SSCにおいて審査

4.In-principal ライセンス(設立事前承認)の取得
  (※これは、証券会社設立の準備をしてもいいよ、
  といった承認です)

5.オフィスの設営、社員の採用、
  システムハード購入、業務系ソフトの選択と導入計画等

6.SSC審査チームの監査

7.証券業ライセンスの認可

8.証券預託センター、ハノイ証券取引所会員権取得、
  ホーチミン証券取引所会員権取得

9.本格的な営業開始
 となります。

私たちは、のところにいて停滞している状況でした。

現地パートナーから早速反応がありました。
証券会社の設立は当初案の通り今後も進めていきたい。
8月末まで事前承認を取得できるように努力する。
私たちは静観することとしました。

後で聞く話ですが、
当時現地パートナーの監督官庁が難色を示していたようです。
彼らにしてみても厳しい状況の中
目的に向かって歩を進めていたようでした。

後日思うことですが、彼らもなかなかやるものです。
この時期は、ほぼ撤退の気持ちで
他の業務に取り掛かり始めていました。


←前回記事へ

2009年8月15日(土)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ