横山典生  新米のベトナムビジネス物語

ベトナムの証券会社で
唯一最初の日本人社長です

第7回
突然の吉報

2008年8月26日午後6時頃、
(ベトナムは2時間時差があるので、現地では午後4時です)
現地パートナーから電話がありました。

明らかに興奮しており、
「事前承認がおりた」の一報です。複雑でした。
撤退の秒読み段階でしたし、
気持ちをもう一度奮い立たせる必要がありました。

その晩は早めに帰って、
家族に戦闘配置につくことを指示しました。
翌日、日本側パートナーに
プロジェクトが動き出したことを連絡しました。
皆さんの反応は淡々としたものであり、
「がんばってね」といった感じでしょうか。
私が一喜一憂するのとは違った大人の対応です。
さすがであります。

SSCとの折衝はすべて現地パートナーです。
ここまでは、私は殆んど実務で貢献しておりませんでしたので、
さあ私の出番と思って、いざベトナムに飛んできました。
9月になっていました。
ベトナム現地での一部マスコミ関係の情報などでは、
「この事前承認は奇跡だ」
「よほど大物がバックにいるに違いない」といったもので、
おそらく当面は最後の事前承認だろうということでした。

実際その後、
事前承認がおりた話は聞いたことがありませんので、
私たちが証券市場参入者のラストランナーとなっているわけです。

事前承認がおりると6ヶ月以内に
証券会社としての条件をそろえた準備をし、
SSCの審査をパスして正式ライセンスを取得しなくてはなりません。
それを過ぎると事前承認が却下されます。

2006〜2007年にかけては、
この事前承認をとってそのまま会社を売却・転売して
大きな利益を得たブローカーが大勢いたようです。
この時期でも残党のような輩が何件かありましたが、
市場の暴落とともに姿を消していきました。
ベトナムにおいて、
100社もの証券会社が存在する理由のひとつです。


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2009年8月18日(火)

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