横山典生  新米のベトナムビジネス物語

ベトナムの証券会社で
唯一最初の日本人社長です

第8回
サクラばなし

サクラ証券という会社名は、
現地パートナーが十分に考えた上でのことのようで、
SSCへの当初申請時にすでに使用したものです。

日本側資本はあまり意識しておらず、私が加わってから、
あれ?という感じで始めて認識したしだいです。

ベトナム人にとって「桜」はあこがれのようです。
ただし、日本人のように一瞬の、
あるいは散り際の美しさという情緒的なものとは違って、
景色や風景、街中の「彩(いろどり)」に対する気持ちが
強いのではないかと思います。

その証拠に、日本を訪問する時期として
「紅葉」の秋が「桜」の春に負けず人気があります。
ベトナム、特にハノイの街や風景には、
洋服の色は派手でも、全体に彩がないように思えます。

日本側資本としては当時それほど関心事でなかったのですが、
「サクラ」は「サクラ肉」とか
「お客のようなまねをするサクラ」、
また海外のカラオケラウンジには必ず、
「サクラ」の名前をもったものがあります。
金融機関というイメージとは
ちょっと違うのではないかと思っていました。

致命的だったのは、ベトナムでは桜は咲かないのです。
気候的に寒い時期がないと桜は開花しないということを、
現地在住16年の日系大手建設会社の所長さんに
教えてもらいました。

私は、あまりジンクスのようなものは気にはしないのですが、
サクラという名が引っかかります。
咲かない花を冠した証券会社では
現地で成功しないといった理由付けが
正当ではないかと考えたのです。
新会社名は・・・、それは後のお楽しみです。

本格的な証券会社運営準備をする前に、
プロジェクトについて再度現地パートナーと
日本側資本の役割を明確にする必要がありました。

51%は現地株主保有、
49%は外国人株主保有、経営は日本側で行う。
という前提のもとに、さあ、契約書の作成です。


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2009年8月20日(木)

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