横山典生  新米のベトナムビジネス物語

ベトナムの証券会社で
唯一最初の日本人社長です

第10回
悪い風

最終的に契約書が合意されたのは、
10月の中旬頃になってしまいましたが、
約1ヶ月半もかかった契約書のもう1つの遅延要因は
なんと、このいい加減そうな米国人弁護士の指摘からでした。

彼はベトナムの法規制文章の中に、
「未上場証券会社の株式を保有できる外国人は
証券会社等であり49%が上限である」
といった項目を発見していました。
私生活以外はなかなか優秀かもしれません。

藍澤は証券会社。
日本アジアホールディングズは
子会社に日本アジア証券があり大丈夫そう。

さて、邱氏の出資母体は事業会社です。問題発生です。

帰国準備君が覚醒開始。
現地パートナーに緊急アポです。
「どうすんの?」「こんなことも知らなかったの?」「アホか!」
(最後の言葉は声に出していませんが)

そこからの現地パートナーの動きは
ベトナム人らしからぬものでありました。

まず、当該部分のベトナム語と英語訳を比較吟味し、
SSCの法務部門に確認したり、
関係者からの意見をとったり迅速な対応であったと思います。
さらに、私に、あるご年配の女性と面談させ
サクラ証券への出資を取り付けていました。
この素敵な女性は実は政府のトップと関係があるのだそうです。
よってこの問題も最後はなんとかしてもらえるとの
考えがあったのだと思います。

さて、結論1です。
法規制文章の中に、「証券会社等」とありますが、
投資委託会社やファンド会社なども含め、
会社の定款の中に「Investments」を業としている表記があれば
なんとかなることになりました。
・・・ベトナム的であります。

しかしながら、結論2です。
外国人が10%以上保有する場合、
SSCに事前承認を受けることになりますが、
同時に出資会社の財務内容が審査されます。

邱氏の出資母体では
資本金以上の出資額になっているため「ダメ」です。
さて困りました。
邱先生、助けて!


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2009年8月25日(火)

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