横山典生  新米のベトナムビジネス物語

ベトナムの証券会社で
唯一最初の日本人社長です

第20回
いざ、払込み

日本側資本がリードした契約書の作成でしたが、
現地パートナーからひとつだけ強い要求をされることになります。
出資金の一部を事前に預託金として差し入れろということです。

出資金の一部を事前に預託金として差し入れることについては、
現地弁護士からの反対もありました。
ベトナム人の信用度が低いのでしょうか。
国営企業の意思をもって動いたプロジェクトです。
撤退に関しての条項も入れて契約書も交わしました。
問題はないでしょう。と自分に言い聞かせます。

さて、出資金(まだこの段階では預託金)の
ベトナムへの送金です。
預託先は現地パートナーの現地銀行です。
直接海外から振り込むのは簡単そうですが、
いざというときに本当に外貨になって戻ってくるか心配です。
何度か現地銀行を訪問し話をしましたが、
なんでもOKのような言い方で
要領がよく分からず、不安いっぱいです。

日系の銀行を訪問しました。
この銀行に一度われわれの送金を受けてもらってから、
現地銀行に送金してもらえれば安心です。
しかし日系の銀行は、
“お客様が「日本」国内で我々と取引があれば対応いたします”
とのこと。
マネー・ローンダリングがうるさいのだそうです。
そうなると「香港」の邱先生の法人がまた問題になる?
ああ、だめだめ、先生にまた怒られます。

思案にくれていると、
ハノイにHSBC銀行やスタンダードチャータード銀行などの
外資系銀行もあることが分かりました。
日本の信託銀行の友人の紹介で1社を選び
本格的な協議に入りました。
契約書に記載されている払込みの期日まで時間がありません。
最初から日本側資本が契約書に基づく期日を守れないと
後々面倒になりますし、洒落になりません。

銀行との協議を整理すると、
実際の送金の前にやらなければいけないことが
こんなにありました。
1.VSD(証券取引預託センター)で認可する
  証券取引コードの取得
2.ベトナム中央銀行が許可する口座
 (CCA=キャピタルコントリビューション・アカウント)開設
3.銀行の口座開設及び本人確認。

1、2、3を銀行が作業するとして、
必要書類を用意しなくてはなりません。

またこの書類作成がまた大変な作業となりました。
特に1、2はベトナムの公的機関です。
書類のベトナム語訳や各種認証手続きが必要になります。


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2009年9月17日(木)

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