横山典生  新米のベトナムビジネス物語

ベトナムの証券会社で
唯一最初の日本人社長です

第26回
晴れてライセンス取得!!

12月3日のSSC審査を通過した報告を受けて、
すぐにベトナムに帰りました。
内装が綺麗になった真新しいオフィスに、机、
椅子やPCなどが準備されていました。
感無量であり、少し安心しました。
配線を覆うプラスチックのカバーは
踏んづけないように注意しましたが。

準備費用の金額が、ある程度想定範囲であったこともあり、
12月中の私の興味は日本資本側から支援を受けながら
実際の業務内容作りと、キーパーソンの採用に移っておりました。

キーパーソンの採用には難航しておりました。
というのもわれわれはまだ、会社の態をなしていないのです。
2008年12月です。証券不況の真っ只中のベトナムで、
無謀にも新しい証券会社を作るから
そこに来ないか?という誘いに
興味を持つものなどいるのでしょうか?
すくなくとも優秀な人材は集まりません。
といってジュニアクラスのスタッフを雇っても無駄です。
難しくともキーとなる人間を雇って、
彼らが部下を選んでいかなくては組織が成り立ちません。

キーパーソンを、ブローカー(注文執行、カストディー等)、
システム(IT)、総務・人事、会計の各マネージャーに絞り込み、
前回のコラムで紹介した他の証券会社の女性からの紹介も受け、
地道な採用活動に入りました。

12月もクリスマスに近づいてきました。
連日現地パートナーのところに出向いて、
まだライセンスを取得できないのかと詰め寄りましたが、
SSCの認可は下りませんでした。
最終的にSSCから正式に証券会社としての
ライセンスを取得できたのは、明けて2009年の1月16日でした。
その証書をSSCに取りにいってきた現地パートナーと
証書を眺めつつ、目が潤みそうになったのは本当の気持ちです。
これから数年、サクラ証券は
最後にSSC認可を受けた証券会社として
呼ばれることになるでしょう。

その日は、現地パートナーと
かなりドンチャン騒ぎをして深酒をしました。

ベトナムにおいては、ベトナムの時間軸や
ベトナム人の考え方を理解しなくてはビジネスができません。
ここまでのコラムでは、
現地パートナーの行動や考え方を
自分目線で責め立てたところもありましたが、
ベトナム人目線で見れば、
こちらの考え方が不可解なのかもしれません。

そして2009年7月1日、サクラ証券は正式営業を開始しました。
それまでも紆余曲折はありましたが、
このとき私の中である種の憑き物が落ちたような
気持ちになりました。


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2009年10月1日(木)

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