第27回
ベトナム投資ということ
26回まで設立の苦労話ばかりお聞かせしていましたので、
そろそろ、本職の題材に戻りたいと思います。
私の本職は証券業務であります。
お忘れの方は思い出してください。
ベトナム投資を意識しておられる方に、
ベトナム市場の魅力や市況状況、
他の国や地域と異なる動きがあることに
順次触れてまいりたいと思います。
もっとも、個別銘柄などに関しましては
外国証券会社としての制約がありますので、
この場では申し上げ難い点はご容赦下さい。
また、2009年7月1日の正式営業開始までの苦労話も
「寄り道話」の中で時々ご紹介させていただきます。
ベトナム人と日本人の考え方の相違や、
異国で何かを始めることの苦労について、
ご興味のある方は楽しみにしていてください。
最近、ベトナム株は調子よく上がってきています。
ベトナムの上場会社各社も増資や多額の配当金の発表など
行っており景気は明らかに上向いています。
2006〜07年の需給のバランスが崩れた株高現象とは
明らかに違った状況になってきています。
ベトナムの投資家も当時から比べると
かなり冷静に判断してきているのではないでしょうか?
2009年6月30日に、
ベトナム最大の商業銀行である
ベトコムバンク(VCB)が、
60,000ドン/株で上場初値を付けました。
2006〜07年に未上場株式として取引された時代に、
100,000ドン以上で買った日本の方も多くいたと思います。
ベトコムバンクについては当時から日系の大手証券では、
50,000ドンが妥当であろうとのコメントが出されていましたが、
ベトナムの成長性の名の下に資本市場のメカニズムが
完全に壊れていた結果といえるでしょう。
ベトナム市場はこのような時期を契機として
徐々に改善されようとしていますが、
まだまだボラティリティー(変動性)が高い市場でもあります。
大きな点は市場参加者が少ないということです。
どのくらいの参加者が市場にいるのでしょう?
証券預託センター(VSD)に登録することが
ベトナム市場で証券取引するための条件ですので、
『登録数=投資家数』となりますが、
VSDの発表では登録総数は650,000口座とのことでした。
1人1口座しか登録できませんが、
ベトナムの富裕投資家は他人名義で
通常複数口座持っていますので、
実際に取引参加している投資家数の実態は
この数字から割り引いて考えなくてはなりません。
売りや買いが一方通行に偏ることで
大きな株価変動が生まれます。
まだまだ投資するには時期尚早なのでしょうか?
いやいや、とんでもありません。
まだ参加者が少ない今だからこそ、
チャンスではありませんか!
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