横山典生  新米のベトナムビジネス物語

ベトナムの証券会社で
唯一最初の日本人社長です

第29回
ベトナム投資の基本(2)

日本の証券会社は、多くのお客様の株式の取引を取り次ぐために、
顧客を代表してベトナムに、自社の名義で1つの口座を開きます。

一方、ベトナムでは、同一投資家が
同じ日に同じ銘柄を売買することを禁じていますので、
この証券会社がなんの条件もつけずに
お客様の取次ぎをしてしまうと、
ある銘柄(X)について 最初に「売り」に来た人がいたら
その日はX銘柄については、
どのお客様からも「売り」しか受けられないことになります。
反対に「買い」の人が最初だったら
その日は「買い」しか受けられません。

このベトナムの取引所の特殊性のために、
日本の証券会社は混乱を招かないよう
投資家の方の売買日を決め事として、
事前に理解を求めて取次ぎをしているのです。

日本の証券会社が参入した外国市場で
このような取り扱いをしている市場を私は知りません。
日本の証券会社の参入が非常に少ないのは
このことが大きな要因であることは間違いの無いところです。
先行してベトナム株の取次ぎに挑戦した
6社の証券会社には敬意を表したいと思います。

日本アジア証券はさらに店頭取引という手法を用いて
売買日指定の壁を乗り越えて、
お客様によりフレキシブルな投資をご案内しているようです。
 
また、ベトナム株を買う別の方法としては、
投資家の方が直接ベトナムの証券会社に
口座開設する方法があります。
このことをご説明する前に、
ベトナムの証券取引口座の状況について
ご理解いただきたい点があります。

それは、

1.ベトナム人か外国人かを問わず全ての投資家は
  公的機関であるVSD(ベトナム証券預託センター)に
  口座を開設(=証券取引コードを取得)すること。
2.個々人の名義で別途銀行口座を開設すること。


の2点です。

証券会社は、VSDに開設された投資家口座の管理者であり、
投資家の代理人として指名を受けて、投資家に代わって
銀行のお客様名義の口座にある金銭を用いて
売買の精算を行う役割になります。
少し難しいですね。説明も下手ですいません。

他の言い方をすると、まず、
現地に口座開設するための面倒な各種書類の提出については、
公的機関からの要請(法律で定められている)であり、
銀行からの要請であるということ。
更に、投資家は証券会社に
証券(株券)や金銭を預けるのではなく、
VSDや銀行の投資家本人の口座にこれらを預けており、
最初から分別管理されていることになります。

日本を含めた各国市場では、
このようなオペレーションは、通常、
証券会社に任せられているのですが、ベトナムは違うのです。


←前回記事へ

2009年10月8日(木)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ