横山典生  新米のベトナムビジネス物語

ベトナムの証券会社で
唯一最初の日本人社長です

第41回
ベトナム取引ルールの再考・2

ホーチミン取引所の取引時間は通常取引の場合、
3つのセッションに分かれます。

第1セッションは、8時30分〜9時です。
取引所は、8時30分から各証券会社から一斉に注文を受けます。
その前に取引所に発注してもシステム上、
受け付けてもらえません。

以前は、各証券会社は取引所に各自のブースを置いて、
8時30分と同時にそのブースの中にいる社員の手で
ひとつひとつの取引を入力していました。
本年夏ごろから取引所にシステム的に直接注文入力が可能になり、
大手の証券会社から試験的に開放していましたが、
サクラ証券も10月後半から対象証券会社として承認されました。

注文スピードに関しては大手証券会社とは
遜色なくなっていると思います。
(ハノイ取引所も取引所内にブースを設けたり
社員を置くことはなくなりましたが、
システム的な注文方法にはまだ対応出来ていません。)

さて、第1セッションの取引の中身ですが、
取引に際しての初値(始値)の決定プロセスを
行っていると考えてください。
9時になる前までのすべての注文を並べ、
取引量、価格、時間の順番で優先マッチさせていきます。
この途中の段階では出来の連絡は返しません。
9時になってまず、初値が決定され
その初値でマッチした注文に対しては
ここで出来連絡されることになります。

お客様からのお問い合わせはこの時のものが多くあります。
初値以上の価格で買いの注文を出したのに何故買えていないのか?
理由は、2つあります。

まず、外国人保有枠
(一般企業49%、銀行30%の外国人保有制限があります)
が一杯で買えなかった。
また、第1セッションだけで有効なATO注文
(At The Opening=成行注文で指値注文より優先されます)が、
優先されてすべての買(あるいは売)を消化してしまった結果、
注文された指値が初値より高くても買えないといったことが
発生しうるのです。

じゃあ、ATOで注文を出したから
すべて買える(あるいは売れる)のかといったこともありますが、
ATOでも時間優先があるのでご注意下さい。

サクラ証券では、現在は日本の皆様からの注文を
「指値」だけでお願いしており、
ATO(あるいは後述するATC)の注文はまだ受けておりません。
ご連絡などの問題と、
3セッションを通じて注文が通る有利性を考えてのことですが、
今後ご要望に応じて順次対応していけるようにいたします。


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2009年11月5日(木)

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