横山典生  新米のベトナムビジネス物語

ベトナムの証券会社で
唯一最初の日本人社長です

第97回
物価と金利

再びガソリンの販売価格が上がるといった情報があります。
物価上昇も政府の想定範囲内に
落ち着いているからなのでしょうか?
昨年暮れにいち早く金融政策を行った効果が出ていると
判断しているのかもしれません。

物価対策については、ベトナム政府は過去大失敗をしています。
2008年8月〜9月にかけて物価上昇率が
前年比28%にもなってしまいました。
政府が景気後退を意識しすぎて
金融政策の発動を遅らせたために招いた結果といえます。
その後株価も大きく下げていったのはご承知のとおりです。

いまさらですが、物価上昇が株価に与える影響については、
簡単な経済学の論理でご説明させていただきます。
物価が急速に上昇することにより、
政府は政策金利を引き上げることで対応します。
政策金利の引き上げは、預金金利の上昇を呼び、
国内投資家の株式市場から資金が移っていくことと、
銀行の貸し出し金利が上がることから、
企業のコスト増になり企業業績を圧迫します。

物価の上昇は国の発展過程では避けられないものですが、
急激では困ります。ということです。
ベトナムにそのまま当てはめていいものかは明言できませんが、
3月20日以降からベトナムのマクロの数字が出始めます。
3月末の第一四半期で、ある程度物価安定が見込めるようだと
株式市場に対する安心感がでるものと期待しています。

一方、興味深い現象もおきています。
サクラ証券の資本金運用は銀行の定期預金です。
3ヶ月定期で預金すると最高10.49%の金利になります。
付き合いのなかった銀行から、
11.7%というオファーがありました。国内でも一流の銀行です。

よし“預金”しようということで、
会計主任が持ってきた契約書をみると、
表題がいつもの文字
(ベトナム語は私にはまだ理解できませんが)と違っています。
なんて書いているの?
「“投資”と書いています。英語の契約書では預金とします。
みんなそうしています。」
投資となったら役員会の決定でしょう。やめてくださいよ。

「それなら、10.49%の預金契約にしておいて、
満期に1日支払いを遅らせて、
1.21%のペナルティーを支払わせる契約にします。」
なんで、そうなるの?
「中央銀行が銀行の預金金利の上限を10.49%としているので、
それは守らなければなりません。」

でも、銀行は預金を集めたいんだ。
そこまでして集めたこの資金、どこにいっているのかな?


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2010年3月18日(木)

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