プロが教えます!公認会計士
山田淳一郎さんのトクする税金の話

第5回
「みなし取得費」ってご存知ですか?

さて、再び証券税制の話に戻ります。
皆さん、平成14年度の税制改正のときにできた
「みなし取得費」の制度をご存知ですか。

株の取引に対する税金は、
売却益に税率をかけることによって計算されるのですが、
売却益は売却代金から
その取得価額を差し引いて計算しますので、
いくらで購入したのかがわからないと計算できませんよね。
まめに株の取引について
記録していらっしゃる方は大丈夫でしょうが、
そうでない方や、かなり昔に購入した株などは、
いくらで購入したのかわからなくなってしまうことも
考えられます。

このようなケースに対応するために、
平成13年9月30日以前取得の上場株について、
たとえ購入価額がわからなかったとしても、
「平成13年10月1日の終値の80%」を取得費として
売却損益の計算をすることができることになっています。
いわゆる「みなし取得費」の制度です。
それだけでなく、この「みなし取得費」は、
実際の購入価額がわかっているときにも採用することができます。
すなわち、平成13年9月30日以前取得の
上場株の売却損益の計算については、
「実際の購入価額」と「みなし取得費」のどちらかを
売却代金から控除することができます。
ですから、「実際の購入価額」と
「平成13年10月1日の終値の80%」を比べて高いほうを使えば、
株の売却益は少なくなりますから、
結果として税金の負担も軽くなるわけです。

なお、この「みなし取得費」の制度は
平成22年の売却まで適用されることになっています。
ご自分がお持ちの株の「平成13年10月1日の終値」を調べてみて、
実際の購入価額と比べてみて下さい。


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