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山田淳一郎さんのトクする税金の話

第70回 生前贈与のための新相続税制
父からの贈与、母からの贈与、それぞれ贈与方法の選択は自由

65歳以上の父母から
20歳以上の子どもが贈与を受ける場合、
子どもはその贈与について新制度を適用するか、
または原則の贈与税制
(基礎控除額110万円の制度)を適用するかを
選択することができます。

どちらの制度を適用するかは、
父母ごとに子どもが自由に選択することができます。
また、父から長男と次男が贈与を受けた場合、
長男は新制度を選択し、
次男は選択をしないということも可能です。

以上の説明を図に表すと下図のようになります。
すなわち、下図の(1)から(4)
すべての組み合わせについて
各々どちらの贈与制度を適用するかを
選択できるということです。

新制度を父・母両方からの贈与に適用した場合、
2,500万円の贈与税非課税枠は、
倍の5,000万円になります。

しかし、第66回でご説明しましたように、
贈与する財産の価格(もしくはその財産から生ずる収益)が
贈与の前後で大きな変動がなければ、
新制度を適用して贈与を受けても
相続税軽減効果はありません。

したがって、親から贈与を受けた財産について
どちらの制度を選択するかは、
「贈与財産は将来(相続時)価値が上がると見込まれるのか
 下がると見込まれるのか」
「現時点でまとめて贈与しておく事情があるか」
「新制度と原則の贈与税制とでは最終的な予想納税額
(贈与税+相続税)にどのくらい格差があるか」
等の観点から十分な検討をする必要があります。

執筆:(株)東京ファイナンシャルプランナーズ 税理士 鈴木 寛
監修:公認会計士 山田淳一郎


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