山本理さんの「男が語る美容に効く話」

第14回
自慢話で人物鑑定

体力自慢を聞いて楽しいのには、ワケがあります。
お年を召した方が自慢される相手であるこの私は
その方より年が若いのですから、
いくらご本人に体力があると云っても、
普通は、自慢される私の方が体力があるわけです。
体力のある者に対して体力自慢するのですから、
自慢される側はひけ目を感じることがないですね。

ですので、体力自慢は
誰にでも聞かせることができるわけではありません。
健康な人にするのがいいのであって、
自慢する相手が年上だったり、病気がちの人だったら、
かなりの厭味に聞こえるので注意が必要ですね。

旅行自慢は
お金と時間がなければ出来ないので、
旅行できない人にとっては、
それがジェラシ−のタネにならないとも限りませんが、
大抵はそれを補って余りあるほど、
見聞を広めてくれるものなので、
話を聞いて、楽しいと感じる人が多いのではないでしょうか。

そういえば数日前、外国人観光客の団体が、
駅構内にある立ち食いそば屋さんを
カメラに収めようとしている場面に出くわしました。
私たちにしてみれば、
ごくありふれた食べ物屋さんに過ぎませんが、
彼らの目から見れば珍現象に映り、
故郷の友人たちへのいい土産話になるのでしょうね。

しかし、体力自慢や旅行自慢が喜ばれるのに対し、
黄色信号が点り始めるのは
前々回で挙げた自慢ランキングで云うと、
孫自慢からでしょうか?

孫自慢を耳にすれば、
孫のいない同年代の人は心穏やかでないかもしれません。 
また、学歴自慢も同様のことがいえるかもしれません。

会話を楽しむには、よく耳にするような話よりも
新鮮味があり、どの人にとっても受け容れやすい話題を
選ぶほうが良いと思いますが、
そういった意味でもやはり体力自慢、旅行自慢に勝る自慢は
ちょっと見当たりませんよね。


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