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          第23回 
          喫茶店でダンボの耳? 
         私は喫茶店で時間を過ごすことも多いのですが、 
          聞き耳を立てているわけでもないのに 
          会話の主の声が大きいため、自然と耳学問することがあります。  
          そうやって学問に精を出した結果、同じテ−マでも 
          人によって話す内容が随分と違うことに気がつきました。  
        年配の方に焦点を当ててみると、 
          先ず第一に挙げられるのが健康についてです。 
          体のドコの具合が悪いなどと 
          始終、愚痴をこぼしておられる方がいるかと思えば、 
          少しでも健康になりたいという気持ちからでしょう、 
          病院の評判や飲んでいる薬、 
          はたまた効果があると耳にした運動について 
          情報交換されておられる方がいると云った具合です。  
        また、お金も話し手によって180度とはいかないものの、 
          内容が変わる一つです。 
          株や年金、保険について話しをされている人が多いですが、 
          そのなかでも、年金は大問題が起こっているが故に 
          皆さんの身近な共通の話題であり、 
          しかも最後は政府のだらしなさを槍玉にあげることが出来るので 
          仲間の誰も傷つけることがないと云う意味では 
          一番いい話題のようです。 
        それとは反対に、これも自慢の一つでしょうね。 
          土地や車だけでなく、ご家庭の詳細なバランスシ−トについて、 
          アッケラカンと喋っておられる方もいます。  
          私はそれを聞きながら、 
          万一、泥棒稼業の人が隣りでコ−ヒ−を飲んでいたなら、 
          心の中でほくそ笑むのではないだろうか? 
          と他人事ながらも、少々心配になってしまうことがありました。 
          いくら財布の紐が固くても、口のチャックが開いていると 
          道でワザワザ、銀行通帳や家計簿を 
          落としているようなものですから、それを見つけた泥棒に 
          仕事のタネを与えるようなものですよね。 
        他にも、マルチ商法に足を突っ込んでいる人が 
          友人たちを会合へ誘おうとして、反対に窘められている場面に 
          出会うことも一度ならずありました。 
        こうして考えてみると、喫茶店は「世間の勉強部屋」としては 
          非常に安上がりな場所ですね。 
          「書を捨てて町へ出よう」とするなら、 
          先ず喫茶店へ行くのが良いのかもしれませんね。 
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