山本理さんの「男が語る美容に効く話」

第42回
阿呆に見える利口者を目指す

今から20年ほど前、
「私はこれで会社を辞めました」
と、オジサンが小指を立てる
テレビコマ−シャルがありましたが、
女性が原因で人生を棒にふる男の人は数知れないようです。

そんな失敗が世間を騒がすことも多いですが、
私が「このおじいさんは正直で面白いな」と思った人は
若かりし頃の話として、よくモテたが故に、
女の人でしくじりそうになった話を聞かせてくれました。
本当にモテたのか、ご本人の勘違いかは
証人がいないため、
その言葉を額面通り受け取るしかありませんが、
90歳に手が届こうかと云う
その方のお話自体はカッコ悪い筈なのに、
サラっと口にされた所為もあるでしょうが、
とてもカッコ良く思えました。

それとは対照的に、電車や居酒屋で長時間、
部下に説教やご自分の手柄話を聞かせている人がいますが、
私はそんな光景を見るにつけ、
これも一種の自己満足なのかな、と思ってしまいます。
こんなことを書いた後で、
俺はなんてイヤな奴なんだろうと
自己嫌悪に陥りそうになりますが、
どちらが人の心に残るのかと云えば、
おじいさんのなさったような
ザックバランな話に軍配が上がるのは当然でしょうね。

しかし、年配の方でも人を馬鹿にする人は多いですが、
自分を馬鹿に見せることの出来る人は
そうそうおられません。
馬鹿に見える、いや馬鹿なことを云える利口者を目指せば、
同年輩の人たちから一歩飛び出して、
垢抜けた存在になること請け合いです。
やはり、いくら人格者だと云っても、
どこを叩いても埃が出ない聖人君子タイプは
面白味がありません。
ちょっとくらいヌケたところのあるほうが
人間味が感じられて親しみを覚えます。

しかし、下品に流されがちな話を上品に聞かせてくれた
ス−パ−じいさんなら、どこへ出かけても
座談の名手として周囲が放っておかないでしょうね。


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