山本理さんの「男が語る美容に効く話」

第60回
色気と品について考える

年齢に関係なく、どことなく色気を感じる方がおられます。
私がお会いしたある年配の女性は笑うときに、
いつも口元を押さえていました。
どうやら前歯に金属が入っていて、
それを隠したいがためのことだということがわかりましたが、
その様子を見た私は
かわいらしいことをなさるなあ、と思いました。
同時に、私は八十代のおばあさんに
女性の部分を覗き見たようで一瞬ドキッとしました。
ご本人にしてみれば、
いくつになっても十八の娘の気持ちのままなのでしょう。

その方を思い出してみてもそうですし、
年配の女性はたいてい、薄化粧の方が多いようですが、
そうすると、自然と地顔が出てきます。
これは品と言い換えてもいいかもしれません。
まだ人生経験の浅い私の目から見ていることなので、
間違いなのかもしれませんが、
産声を上げたときの赤ん坊の顔はみな同じように可愛らしいのに、
歳月が過ぎていくに従い、
どういうわけだか、品のある人とない人に分かれるようです。
そして、お金をかけているからといって
また、お洒落だからといって、
その品物を手に入れることができるとは限らないのが
人の顔の一番不思議なところです。
数年前、ある旧宮家を名乗った結婚詐欺がありましたが、
品を売り物にした商売が成り立つのも、
それに希少価値があるからでしょう。

ガリバー旅行記を読むと
生まれながらにして不老不死を手に入れた者たちがいると聞き、
羨ましく思ったガリバーが彼らに会うシ−ンが出てきます。
そこで、ガリバーは歯や髪が抜け落ち、記憶力も減退していて、
無為に生きている年老いた姿を見て
永遠の命に対する憧れもすっかり失せてしまいますが、
そんなことにならないためには
ある程度の年齢になると、
顔の造作がどうなっているかよりも
色気と出来れば品を保つことが
年下の者から一目置かれる存在になるのでしょうね。


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