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          第61回 
          色気話はワンタッチの美学を小脇に抱えてから 
         皆さんは先月、邱先生が紹介された 
          「アンチエイジング読本」をお読みになったでしょうか? 
          先ず、私が本を開いてビックリしたのは 
          二百ページを超える四分の一程度が、 
          色気について書かれていたことです。 
          しかし、裏を返せば 
          それは年の差に関係ないテーマだといえるのでしょう。 
        そこで、私は著名人の方々が 
          若々しくあるための錦の御旗ともいうべき 
          色気に触れておられるか関心を持ちました。 
        これは大きくわけて三つのタイプに分かれるようです。  
          一つはそういったことは全く語らない方。 
          私もこのグループに入ると思いますが、 
          これはごく一般的な態度です。 
          ただ、石部金吉といかないまでも、 
          真面目だと思われる可能性がなきにしもあらずです。 
          地位、職業、収入に関係なく、皆が同じ目線に立てるので、 
          周囲の人に甘味料としておすそ分けできるほうが 
          ワキが程良くあまくていいのでしょうね。 
        二つ目はここまで言っていいのかな、 
          と思うほどアケスケに語られる方です。 
          井原西鶴の好色一代男はその題名の通り、 
          主人公の七歳から六十歳までの 
          そういった話が延々と続きますが、 
          作り話だから多くの人が 
          本を手にとったという面はあると思います。 
          ご本人のサ−ビス精神もあるのでしょうが、 
          あまり詳しく喋ると、 
          人からスケベじじいと思われるのがオチかもしれません。 
        三つ目はさらりと触れる、 
          ワンタッチの美学を持っておられる方です。 
          このタイプの方が人生の達人といえるでしょう。 
          七十七歳のときには喜寿の祝いとして 
          漫画家仲間の女性と擬似結婚式を挙げられたという 
          アンパンマンの作者のやなせたかしさんは 
          健康法として、外出するときはジーパンを穿く、 
          腸の調子を整える為にビフィズス菌を飲むことを挙げられています。 
          また、一日八十回腕立て伏せされるのも、 
          愛する人を強く抱きしめるためで 
          ましてや仕事がたくさんあるから 
          死ぬに死ねないといったところだそうです。 
          長生きするなら、長生きされている方の 
          アンチエイジング法を見習うのが一番良いでしょうから、 
          九十歳といっても、 
          体のなかに十代の頃の少年が、九人いるにちがいない 
          やなせさんのマネから始めるのがいいようですね。 
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