山本理さんの「男が語る美容に効く話」

第75回
年とって貫禄が出てくる職業 その二

私はお坊さんも年をとればとるほど
威厳と貫禄が出てくる職業の一つだと思います。
修行の年季が入っているからというわけでしょうか、
私の経験では、
三十代のお坊さんが念仏を唱えたり、講話されるより、
六十代の方にしていただくほうが、ありがたく感じました。
このように、することは同じでも年輪を重ねている分、
人に信頼や安心を与えられることもあるのでしょうね。

ところが、凡人の私にはお坊さんのなさることが
すぐに理解できないこともありました。
それは、私が以前住んでいたマンションでは
毎朝八時になると、必ずお寺の鐘の音が聞こえてきたことでした。
一分間ほど鳴り響くその鐘の音は
最初はゆっくりと、そして次第に音の間隔が狭くなり、
クライマックスに達すると、
ハードロックのコピーバンドで
ドラムを担当していたことが忘れられないのか、
厭なことがあって憂さ晴らしをしているのではないか、
と思うほどでした。

引っ越してきたばかりの頃は
この近所一帯に鳴り響く音の大きさに私は驚いて、
休日くらい朝寝を楽しませて欲しいのに、と
文句の一つも言いたくなりました。
しかし、頼みもしないモーニングコールは
若いお坊さんだけでなく、
それほど若くないお坊さんもされているようだ、
と部屋の窓から確認できた後は
騒音公害かと思った鐘の音も、
目覚まし時計がなくても、
規則正しい生活が送れるようになるのだから、
お坊主さんのなさることは
流石にありがたいものだ、とさえ思えるようになったのです。

当然、そのお寺のすることだから、
一人一人のお坊さんの年齢など関係ないのですが、
年齢が物を言うということはあるのかもしれませんね。


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