山本理さんの「男が語る美容に効く話」

第77回
好奇心が元気の源

今までにお会いした年配の方のなかには、
エネルギーを持て余しておられるんじゃないか、
と驚かされたこともありました。
その方たちから、
「こんなのやりたくないなあ」とか
「ああ、しんどいな」と云ったような
消極的な言葉を聞いたことはありません。

普段から、口に出さないように
長年心掛けておられたために
その言葉すら忘れてしまったように見えたくらいです。
それはいつも何か興味の対象があって、
そのことに関心が集中しているためなのかもしれませんね。

たとえば、ある女性は八十の手習いだと云って、
エレクトーン教室に通われていました。
若いときから、やりたかったことがやっと実現したと、
もう嬉しくてたまらない、と尽きるともなく、
その練習の様子を私にお話しされました。

また、そのご婦人は
家のなかでじっとしていることは少なく、
毎日なにかしらの用事があるので、
外へ出かけておられると仰っていました。
エネルギッシュで、
八頭立ての馬車に乗っておられるといった言葉が
似合うなあと思ったほどでした。

また、好奇心旺盛な方もお元気です。
大抵のお客様は
補聴器のお店へ初めて来店されたときには、
「耳が遠くなってしまった」とか
「もう、随分年をとってしまったのだ」
と肩を落とす方も少なくありません。
しかし、この方は様子が違うと感じたこともありました。

そのお客様はお医者さんだったのですが、
職業柄、人間の体に関することには
人一倍関心をお持ちだったからでしょうか、
カタログを見て、補聴器について
随分いろいろと質問されたのです。
「いまだに学会で発表する機会もよくあるんです」
とおっしゃていたので、
八十六歳にして現役のとてもエライ先生だったのでしょうが、
補聴器を使うことに前向きでした。

お客様と店員という関係を差し引いてみても、
ストレートに質問をぶつける相手は
孫くらいの年齢にあたる私です。
その所為もあってか、一まわりは若く見えました。

このお二方のように、
人生においては、傍観者ではなく、
いつまでも参加者でいることが
若々しくあるための奥義なのかもしれませんね。


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