第9回
中国は崩壊する?
本屋さんの店頭には
「2006年ことしはどうなる」といった本が並んでいます。
新春講演会の参考資料にと暮れから正月にかけて、
十数冊の本に目を通しました。
特に中国をどう見ているのかに関心がありました。
経済センターや総合研究所発行のものは、
まあまあ穏当な記述でしたが、
経済評論家・エコノミストの中には
ここまで書いて大丈夫?と思われるものがありました。
長谷川慶太郎さんの題名は「大展開する日本2006」
アタマに「予測書の決定版」とあり、
中に
「バブル崩壊寸前の中国・北京オリンピックは開催できない」
の一章があり、こう書かれています。
「中国は孤立する、一切の投資は止まり、経済は崩壊する。
中国大陸は大乱に陥る」
そして
「暴動が起こり、軍が発砲したら北京オリンピックは吹っ飛ぶ。
大動乱へ、もう時間の問題だ」
これまでも中国崩壊論を何冊か見ましたが、驚きましたね。
影響力ある著名な評論家ですから、これを読んだ読者は
ビックリして、中国株なんて危険がいっぱい、
即売りということになりかねませんね。
もう一冊の本は高速道路無料化を提唱された
気鋭のエコノミスト山崎養世さんの「チャイナクラッシュ」。
これも全編厳しい指摘です。
本の帯には大きな文字で
「中国株はここ数年大暴落している事実を直視せよ」
と書かれています。
中国株には香港株と本土株があることは、
HiQ読者の皆様なら先刻ご承知のこと。
中国本土市場について
「ドラゴンの眼で見よ」の杉新悟さんは
「暫くは低空飛行、もうすこしの辛抱だが、
新年度は上昇期待、ある日突然好材料発表かも」
と書かれました。
しかし、ここ数年間で、目覚しく上昇、
今後さらに上昇が期待される香港株についても記載しないのは
片手落ち、いや間違った情報となりますね。
この本の巻末に参考文献が数十冊記載されていますが、
もちろん邱永漢の名は見当たりません。
Qさんは明快です。
中国は崩壊しない。「中国崩壊論に耳を貸すな」
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