第59回
ヨロンのおもてなし
あさ5時起きで、羽田から那覇へ2時間半、
プロペラ機に乗り換えてやって来たヨロン島は、梅雨入りでした。
期待に反して、晴れわたる空も、青い海も、
スカイダイビングの光景もありませんでした。
なのに、この山崎は終始ご機嫌でした。
出会う人誰もが、
「ようこそヨロンへ」と笑顔を向けてくれました。
「センセイ、相変わらずのお元気ですね」
と声をかけてくれた人は、
3年前、鹿児島・城山観光ホテルでの講演を
聴いて下さった方たちでした。
「ぜひもう一度聞きたい、仲間に聴かせたい、
3年越しの念願叶い嬉しい」
地元女性部長さんの熱意に感動しました。
参加者250名のうち、他島からが170名
うち一番遠い奄美大島からの船の参加者は9時間かかります。
徳之島、喜界島、沖永良部島からも大勢みえました。
山崎の90分の講演のあと、青年部の主張・提言があり、
表彰式があり、懇親会となりました。
これがなんと、歌あり、踊りあり、太鼓ありの、
楽しく、賑やかなものでした。
山崎も踊りの輪に加わり、危ないステップを踏み、楽しみました。
席に戻れば、一升瓶持参の人が次々にやってこられます。
「与論献奉」とやらに則り、
地元銘酒有泉を大きな盃で頂き、大拍手でした。
この集いのため1年かかりで準備されただけあり、
すべてが客人を喜ばせる誠意と愛情のこもった集い、
山崎は美味しいお酒を頂きながら、
先年の屋久島といい、この与論島といい、
島で暮らす人たちのしあわせに共感する思いでした。
思えば都会暮らしが長くなった山崎のふるさとは長崎県、
島の数が日本一多い県です。
こんな時、島の生活のご苦労も、ちょっぴり伺えました。
生活物資はすべて船便、
しけ続きの時は欠航、新鮮な野菜が不足とか。
比べて、なんでも有りの便利な都会生活、
コンビニ、飽食、ダイエット、満員電車のストレス。
一体、幸せな生活とは何か、
人は環境によってこんなにも違ってくるのか、
大自然から遠ざかるほど、情が薄れて、しあわせも遠くなるのか、
講演の仕事でヨロンへやって来たのに、
この二日間、和やかさと温かさに包まれて、
山崎は笑いっぱなしでした
ここヨロンは旅人の心と体を優しく癒してくれる
真珠のリゾートでした。
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ヨロン島
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