第88回
新しい門出・充実の日々
山崎にも、支店長5店舗目の最終局面で、
出向の打診がありました。
出向会社もポストも、考えられる最高のものでした。
翌日、本部に出向いたら、副頭取室へと、
「ありがたいお話、勿体無いほどの先とポストですが」
と配慮を感謝しながら、起業の意向を伝えましたら、
副頭取はビックリされました。
「銀行員で独立して成功した人は皆無に近いよ」
と翻意を促されましたが、山崎の決意が固いと知ると
「でも、キミは、変り種(者?)支店長、
5店舗で実績上げた男だからな」
と苦笑され、
「まあ、健康だけには気をつけてな」と了承されました。
1985年11月1日、金融研修センター設立、
その日の早朝
「静香詩」の一篇「珍しきかな」を開きました。
新たなる心もて あらたに迎える 今日の日は珍しきかな
新たなる力もて あらたに創る 今日の日は珍しきかな
新たなる望みもて あらたなる道を行く
物みな輝きて映る今日の日は 珍しきかな
新しい門出に、心改まり、励まされる想いでした。
思えばラッキーなスタートでした。
編著「これが支店長だ」は刊行前、予約一万部と聞かされ、
有名書店で平積み、の報告を頂きました。
全国の銀行・信用金庫・生命保険からの「支店長研修」お申込みで
年間予定表はいっぱいになりました。
飛行機で、新幹線で、ローカル線で、
文字通り北から南まで全国へ。
一泊二日、あさ9〜5時まで。
夜は受講生みんなと街へ繰り出しカラオケ3曲唄いました。
現役支店長の気分でした。
帰宅すれば、締め切り原稿に追われました。
疲れをしらない、やりがい、生きがいの充実した毎日でした。
Qさんの「独立のすすめ」(サラリーマン出門)を聞いて15年、
組織から開放された喜び、一人立ちした感動でした。
Qさんは「起業とは周囲に反対されることをやること」
「起業の着眼点」と教えてくださったのでした。
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