第99回
Qさんに感謝状を
前回、山崎は嘲笑・黙殺を覚悟の上で
「Qさんは現代のアダムスミスだ」と書きました。
実は「アダムスミスを超える人」と書きたかったのです。
Qさんは言論、理論の人だけでなく、実行の人だからです。
19世紀はヨーロッパの時代、20世紀はアメリカの時代、
始まったばかりの21世紀はアジアの時代といわれています。
Qさんは
1981年「香港の挑戦・日本経済人への警告」を皮切りに、
1989年「アジアの風」
1993年「日本人はアジアの蚊帳の外」で警報を鳴らしましたが、
耳を傾ける為政者はありませんでした。
日経ビジネス誌が「中国は世界の工場」特集を組んだのが、
つい6年前のこと、多くの日本人はビックリしましたが、
Qさん情報に接している者には、先刻承知の事実でありました。
欧米経由のマスコミが伝える、
わが国の中国情報には、偏りがありました。
いまや中国への進出企業3万2000社、
雇用中国人920万人に達しました。
Qさんは、世界が注目するアジア、
その中心の中国・上海に数年前に居を移され、
中国の現状を分析、将来を展望して、
1日の休みも無く、
リアルタイムで情報発信を続けておられるのです。
併せて日本から、延べ数千名の考察団を率いて、
中国各地だけでなく、
いま注目のBRICs、諸国を視察、貴重な情報を伝えておられます。
また、試行錯誤を恐れずに年間、数十件の起業を試み、
若い人たちにチャンスを提供しておられます。
1993年「中国人と日本人」は、
相互理解のために書かれたQさんならではの貴重な一冊です。
Qさんのこれまでの日本経済活性化のための
数々の貴重な提言、日中友好への貢献は実に大きなものがあります。
まだ気が付かない内閣総理大臣に代わって、
不肖山崎が、邱永漢先生に、
万感のおもいを以って謹んで感謝状を進呈させて頂きます。
「長期間にわたり、日本国および日本国民に対する
貴重なご提言、ご指導、誠にありがとうございました。
今後とも引き続きご指導のほどよろしくお願い申し上げます。」
と、ここまで書いて、北京・種字林・金言名句を開いたら
《人生、意気に感ずることをやる、これが大切です。
勲章をもらったり、人からチヤホヤされたりすることなど、
なんということもありませんよ》
これを読んで、「早とちり山崎」は、
「やられたー」と叫びました。
感謝状などノーサンキュウ、
世の毀誉褒貶(きよほうへん)を超越した境地に。
Qさんは、やはり、レベルの違う方でした。
|