第3回
長生きの秘訣がわかってきた
健康で長生きはだれもが望むことでしょう。
最近では90歳で元気な人も増えてきました。
あんまり長生きしたくないという言い方もしますが、
自立できるなら、
長生きしても他人に迷惑をかけることはありません。
実際に私の外来に来ているお年寄りも
90歳を越えて元気な人が多いのです。
というより、90歳になる人は80歳の人より
むしろ元気な人が多いように思えます。
これはどうも長生きスイッチが入って
変化するためのようなのです。
以前から、食事の量を減らすと
長生きすることはわかっていました。
6割食がいいと言われてきましたが、
ごく最近の研究では7割食で長生きすることが
サルの研究でわかってきました。
もちろんすぐにこれが人間にも応用できるとは限りませんが、
疫学的な調査では、
たくさん食べる人に認知症が多いという統計もあります。
高脂血症と肥満の関係もあるので、
やはり、食事の量を減らすことは、
現代の健康法の中ではかなり確実なものになってきました。
しかし、問題は7割食といってもそれを実行していくことは
かなり厳しいでしょうし、一部の人しかできないことです。
健康法は多くの人が実際にできることでないと、
単なる理想論で終わってしまいます。
だから製薬会社では、
7割食と同じような効果のある薬を開発しています。
ごく近い将来、ある薬を飲むことで、
長生きできるようになるでしょう。
苦しいダイエットをしないでも、
好きなだけ食べて長生きできる時代が来る可能性が高いのです。
しかし、それでも生活習慣病の予防があってこその話です。
高血圧や糖尿病の予防や治療がしっかりできていなければ、
いくら7割食でも意味がないのです。 |