第12回
たまには力まないとダメ
老化で一番早くくるのが、筋力の低下です。
しかし、自覚することは少ないもの。
それは、筋力は常にフルパワーで使っているわけではなく、
最低限の筋力しか使っていないからです。
たとえば、ドアを開けるのに、
全力で開けることはないので、
日常生活の中で、筋力低下を自覚することはないというわけです。
ところがプロスポーツの世界になると違ってきます。
多くのプロスポーツで、
30歳くらいがピークになってしまうのは、
彼らは限界に近い筋肉の使い方をしているので、
少しでも筋力が落ちてきたりすれば、
すぐに成績に現れてしまうのです。
一般的には、筋力低下を感じるより、
転びやすくなったとか、人にぶつかるようになった、
物を落としてしまうというように、
筋力の低下とは思えないようなことが、実際には起きています。
筋力は30歳がピークでそのあとは低下していきます。
とくに50歳を超えてくると、低下傾向が強くなってくるのです。
ところが私の診察に来る80を越える男性で、胸板が厚く、
筋肉質の男性がいます。
訊いてみると、毎日腕立て伏せを100回やっていると言います。
歳と伴に筋力低下が落ちてしまうのは、
筋肉の萎縮というだけでなく、
筋肉を使わなくなってしまうからです。
この患者さんのように毎日鍛え続けていれば、
年齢に関係なく筋力を保つことができるのです。
筋力を保つには、筋量の減少をできるだけ少なくして、
ダイエットをすることです。
とくに太ももを伸ばす方の筋肉、
つまり大腿の前にある筋肉が減っていきます。
これを防ぐには、最低週2日、
立ったり座ったりする
反復運動(スクワット)をやってみましょう。
ウォーキングだけでは筋力を維持するのは難しいのです。
ときどき力むような運動こそ、筋力を維持できる秘訣です。 |