第13回
民主党政権で医療はこうなる
民主党の圧勝で医療はどうなるでしょうか。
民主党のマニュフェストをみると、
2つの大きなものがあります。
ひとつは「後期高齢者医療制度は廃止」とあります。
後期高齢者医療制度によって、
より医療の現場では事務的な手続きが面倒になっただけで、
受診患者が減ったということはありません。
健康保険制度の一元化をすべきところを、
複雑にしただけで、結局、
医療改革にはなっていないのが現状でしょう。
一部の人は、健康保険の支払いが減った人もいますが、
最大の意味は後期高齢者というレッテルを貼られることで、
自分が年齢を意識して、
より活力のある生き方をしなければいけないのに、
意欲をそいでしまうことです。
年齢で人を区別することは、意味がなく、
むしろ高齢者になればなるほど個人差が強くなってくるので、
後期高齢者医療制度の廃止は、
国民にはむしろプラスになるでしょう。
もうひとつの医療の中の改革は
「介護労働者の賃金を月4万円引き上げ」というものがあります。
介護の仕事の賃金が安いのは、大きな問題となっています。
賃金の引き上げによって、
介護の仕事をしようという意欲は出てくるでしょう。
しかし、賃金の引き上げだけで、
いまの介護問題が解決するとはとても思えません。
介護ではなく、むしろ生活介護が実際には必要だと言います。
介護保険制度がもっとフレキシブルな使い方ができないと、
せっかくの制度も有効に使えないのです。
さらにどういう死を迎えるのか、
そのあたりをしっかり議論していくことこそ、
本当の介護の問題が見えてくるのではないでしょうか。
いまの日本の医療制度は高齢者も一般の医療のように、
食べられなくなれば、胃に管をいれてしまったり、
末期医療でもまだまだ徹底的に救命しようとします。
やすらかな死を迎えること、
そのあたりをしっかり討論すべきでしょう。 |