第15回
とにかく動けばボケを防げる
最近の脳科学、
あるいは疫学的な調査で最もはっきりしていることは、
「運動すれば脳が活性化する」ということです。
運動というと大変なことだと考えてしまうが、
極端な言い方をすれば、1日数メートルでも歩いたほうが、
全く歩かない人より、認知症になりにくくなります。
それほどからだを動かすということが
脳を刺激することがわかってきました。
うつ病でも運動をすると、
抗うつ薬くらい効果があるという統計もあります。
また普段から運動していると、
うつ病になりにくいということもわかっています。
マウスの実験で、自由に運動をさせると、
檻に閉じこめて運動を制限した場合より、
記憶力がアップすることも証明されています。
もちろん毎日適度な運動をする人は、
認知症の発症が少ないこともはっきりしています。
からだを動かすことによって、
脳へいく血液が増えることと、
神経細胞を活性化して
ネットワークをつくりやすくする
脳由来神経栄養因子が増えることが、
脳活性を起こす理由と考えられています。
大切なことは、いかに普段の生活の中で
からだを動かせるようにすることです。
リモコンを使わないで、テレビを操作する。
新聞は自分で取りに行く。
ゴミ捨ても、人任せでなく自分やる。
会社でも座ってばかりいないで、
とにかく時間があれば、歩くようにする。
もちろん階段はエスカレーターを使わないで、階段を使う。
そういったちょっとしたことの積み重ねで、
歩く時間を増やすことが大切なのです。
さらに、歩きながら、
手の動きを加えた少し複雑な動きを取り入れると、
より脳を活性化させることができます。
とにかく動く、歩くという意識を持つことが
脳を元気にしていくのです。 |