第16回
血液型がB型の人はよかったですね
初対面の人で、話がはずんでくると
「血液型は何型ですか?」と訊いてくる人がいます。
いままで論理的でまともな話をしていた人が
急に血液型性格診断をしようとするので、
あきれてしまうことが結構あります。
血液型と性格は特別な傾向はありません。
これは科学的に証明されていることです。
だからO型だからおおざっぱというような見方は、
ただの偏見にすぎないのです。
それでもなぜそういった血液型による
性格診断を信じてしまうのでしょうか。
これはある人を自分のわかる範囲での位置づけにしたい
という願望からくるものではないでしょうか。
人間は自分のもっている尺度でしか
相手を見ることができませんから、
わかりやすい血液型性格診断のようなものを
使ってしまうのでしょう。
しかし、そういった
ステレオタイプの性格診断しかできないとすれば、
問題かもしれません。
人間の性格を判断することは、
心理学の研究だったかもしれませんが、
いままでなかなか科学的な裏付けのないまま来てしまっています。
心理分析をする「ロールシャッハ・テスト」、
就職試験でよくやっている「内田クレペリン検査」、
性格テストとして有名な「YG検査」は、
みな統計学的には意味のないものだという意見もあります。
私たちはすべてを科学的に見ているのではない
ということかもしれません。
最近でこそ脳内物質で、
性格が決まるという研究も出てきましたから、
ようやく科学的に性格がわかるようになったというところです。
また長寿の研究では、
100歳以上の高齢者にはB型が多いという研究があります。
これは血液型はいろいろな糖が
つながってできている糖鎖で決まるので、
糖鎖が長寿に関係あるのではないかと考えられています。
血液型が持つ本当の意味の研究は
これからというところでしょう。 |