米山公啓  脳とからだの健康方程式

今日から変えること

第17回
うつ病にならない脳に

食欲がない、眠れない、やる気がないというのであれば、
うつ病を疑うのですが、
高齢になってくると、
そんな典型的な症状でうつ病が発病しなくなります。

朝に頭が重い、ふらつく感じがする、味がおかしい、お腹が痛い、
手がしびれる、こういった様々な症状で医者へ行っても、
「気のせい」と言われてしまうのがオチなのです。

なんともはっきりしない症状を持つうつ病が
高齢者に多くなるので、
発見が遅れ、あるいは精神安定薬だけで経過をみてしまい、
ちょっともよくならないということがあるのです。

うつ病の8割は薬で改善します。
しかし、薬を飲まないこと、
飲むチャンスがないことが問題なのです。

元気が出ない感じが、2週間以上続いたら
うつ病を疑う必要があります。
すごく元気な人がある時期急に
うつ病になってしまうこともあるのです。

うつ病というと性格が特徴的と思われてしまいますが、
実際には性格とうつ病は結びつかないのです。

前向き思考ができれば、うつ病にも強くなるのですが、
年齢とともに前向き思考ができなくなってしまいます。

うつ病の原因のひとつは、
セロトニンという脳内物質が減ってしまうことです。
心を安定させるセロトニンは、
年齢とともに、減ってくるので、
歳を取ればとるほどうつ病になりやすくなるわけです。

さらに、ストレスホルモンである副腎皮質ホルモンは
年齢と共に減っていかないので、
ますますストレスに弱くなっていきます。

近年、運動をすると
うつ病になりにくいことが証明されてきました。
とにかく1日一回は外に出て、
散歩したりウォーキングをしてみましょう。
それだけで脳にいろいろな脳を活性化する物質が出てきて
うつ病に強い脳になります。

もちろんうつ病の治療の基本は薬です。
SSRIという種類の抗うつ薬は、
副作用も少なく高齢者にも使いやすいので、
少しでも疑ったら、
積極的に飲んだほうがメリットが大きいでしょう。


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2009年9月25日(金)

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