米山公啓  脳とからだの健康方程式

今日から変えること

第25回
くも膜下出血の予兆

女優の南田洋子さんが、
くも膜下出血でなくなりました。

くも膜下出血は「脳卒中」とよばれる
急に倒れる脳の病気の中のひとつです。
脳卒中の他の原因には、
脳の動脈が詰まってしまう脳梗塞、
動脈が破れてしまう脳出血があります。

脳卒中の中でも
くも膜下出血は原因としては少ないほうですが、
1/3の法則というのがあります。
くも膜下出血を発病した人の1/3は即死に近く、
1/3は運動麻痺などの後遺症を残して回復、
1/3は完全に社会復帰できるというものです。

くも膜下出血の原因は、
脳の動脈の瘤(こぶ)が破裂することです。
動脈の壁が遺伝的に弱い人が、高血圧を治療しなかったり、
喫煙を続けているため瘤ができやすくなり、
破裂する危険があるのです。

さらに最近の調査では
輸血歴があるとなりやすいとされています。 

発病時意識障害が強く、
名前を呼んでもまったく反応しないような状態では、
脳外科的な手術はやりません。

つまりくも膜下出血は発病の時で
かなり予後(治り具合)が決まってしまうと言えるでしょう。

くも膜下出血の発病時の主な症状は頭痛ですが、
この頭痛の診断がすごく難しいのです。
典型的なハンマーで殴られたような頭痛は、
むしろ少ないことがわかってきたのです。

軽い頭痛なのにくも膜下出血ということがありえるのです。
確実に診断するにはMRIをやるしかありません。

だから普段と違う頭痛、
あるいはそれほど痛みがないが
今まで感じたことのない頭痛が起きた場合は、
脳のMRIをやるしか診断がつかないのです。

これはどんな名医でも
症状から確実に診断するのが難しい病気と言えるでしょう。
神経内科の専門家ですら長年診療をやってくると、
頭痛の診断は結局すべてMRIを撮らない限り、
病気を見逃してしまうと言っています。

いつもと違う頭痛を感じたら、
とにかく医者へ行きMRIを撮ってもらう、これしかありません。


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2009年10月26日(月)

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