米山公啓  脳とからだの健康方程式

今日から変えること

第27回
認知症にならない方法2

病気の予防というのは、
不思議なことに共通する場合があります。
認知症も同じことが言えます。

脳卒中の予防には
高血圧を治療して基準値に下げることが一番ですが、
認知症も同じように血圧を正常に保つほうが
認知症になりにくいのです。
これは血圧が高いと脳卒中になりやすいので、
脳血管性認知症の予防になるというだけなく、
認知症の7割の原因である
アルツハイマー病も血圧を基準値まで
下げることで予防できるのです。

大規模な調査によって、
血圧を下げる薬を飲んでいる人に
認知症が少ないことが証明されています。

高血圧の治療薬にはいろいろな種類がありますが、
ARBと言われる種類の高血圧治療薬は
血管に保護的に働くので、
認知症の予防には有利かもしれません。

問題なのは、
自分は血圧の薬を飲んでいるから安心だと思うことです。
血圧の薬を飲んでいる人の半分くらいは
十分に下がっていないことが多いのです。
これは医者自身も下げすぎを心配して、
十分量の血圧の薬を処方しなかったり、
患者が独自の判断で半分しか飲んでいなかったりするからです。 

今年新しくなった高血圧の治療基準は、若年・中年で、
診察室では上の血圧が130oHg未満、
下の血圧が85oHg未満、
家で測った血圧は上は125oHg未満、下が80oHg未満です。

高血圧症で上の血圧が125oHg未満まで下がっている人は
少ないものです。
だから薬を飲んでいるから安心しないで、
きちんと数値を見て薬を考えていくべきです。

高血圧症だけでは、症状は何もでません。
だから健康診断などで、血圧を測って数値を見て、
治療を決めていくしかないのです。

高血圧症の治療薬はいろいろな種類があって、
下げられないということはまずありません。
しっかり下げること、
それが認知症の予防になっていくのです。 


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2009年11月2日(月)

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