第29回
とにかくからだを動かす 認知症防止4
認知症の予防の様々な研究の中で、
もっとも信用度の高い研究データからみると、
「運動をすることで認知症になりにくくなる」
というものでしょう。
運動をすることが脳を活性化するという研究もたくさんあります。
運動と脳の関係をみると、
記憶力がよくなる、うつ病に強くなるなど、
プラスのことが多いのです。
運動といっても、そんなに大変なことではありません。
ウォーキングレベルで十分なのです。
もっと言えば、
普段から少しでもからだを動かすことが大切なのです。
例えば、掃除をする、お風呂場のタイルを洗う、洗車するなど、
日常の中でからだを動かすだけでもいいのです。
からだを動かすことによって、脳への血流が増えることで、
海馬の脳神経細胞を元気にさせます。
また脳の中で神経細胞どうしのネットワークを作るために必要な
神経栄養因子というものも、
からだを動かすことで増えてくるのです。
高齢になって骨折すると、
寝たきりになって一気に認知症が進むことをよく経験します。
これもやはり動けなくなるということが、
脳を刺激しなくなってしまうのです。
超高齢者の100歳以上を越えている方は、
畑仕事を日課にしている人が多いものです。
やはり、これも常にからだを動かすということが、
脳にプラスに働いているからだと思います。
重要なことは、明日から毎日1時間ウォーキングをする
というのではなく、
今日から、少しでもいいので
からだを動かす環境作りをするほうがずっと長続きがします。
あるお年寄りは一人で崖の上の家に住んでいます。
そんなところに一人でと思いますが、
急な斜面をゆっくり歩く毎日が、
脳にもからだにもプラスになっているようです。
からだを動かす環境を作っていくべきです。 |