第31回
人に会う 認知症防止6
退職すると、会社勤めに比べて、
圧倒的に違うのは、
人に会うチャンスが減ってしまうことでしょう。
仕事をしているときは、あまり気が付きませんが、
実は人に会うことは脳にとって非常に刺激になります。
ある研究では、毎日人に会っている人のほうが
認知症になりにくいという研究データがあります。
また毎週教会へ行く人のほうが
やはり認知症になりにくいという報告もあります。
これは教会へ行くことで、
いろいろな人で出会うことができるために、
それが脳にいいのだろうと推測されています。
人に会うとなぜ脳にいいのでしょうか。
それは人に会って話をするとき、脳を広く使うからです。
相手の表情、言葉の調子、手振りなど
いろいろな情報が入ってくることで、
会話が成り立っているからです。
だから電話やメールでコミュニケーションを取ることとは、
脳に入ってくる情報の量が違うのです。
高齢になってくれば、
次第に人に会わない生活になってしまいます。
本来は大家族であれば、
子供、孫、ひ孫といろいろな世代が同居しますが、
最近ではそれが難しくなってきました。
だからこそ、社会とつながっているサークルに所属して、
少なくともだれかに会う
という生活習慣にしておく必要があるのです。
仕事でのつながりは、仕事をやめてしまうと切れてしまいます。
仕事以外の趣味や勉強会でのつながりを大切にすべきなのです。
会話を楽しむ、人に会うことを楽しむには、
それなりの時間と余裕がなければいけませんし、
会話の楽しめるゆったりした場所も探しておかねばいけません。
認知症の予防はもちろんですが、
老後を考えると、
会話を楽しめる環境作りを今からやるべきでしょう。 |