第32回
よく寝ること 認知症防止7
睡眠と記憶の関係は、
最近の脳科学の研究成果です。
つまり睡眠というと脳を休めていると思ってしまいますが、
実は寝ている間に
前日脳の中に入ってきたいろいろな情報の整理をして、
忘れない記憶に変化させていることがわかってきました。
ゴルフの練習をして、
なかなかうまくならないと思っていても、
翌日急に上手になるということがあります。
これも記憶の変化なのです。
つまりもっともいいスイングは、
実は小脳の運動の記憶です。
記憶の整理ができ、
効率のいいスイングができるようになるわけです。
それほど睡眠中は脳が活性化しているということにもなります。
だから脳を活性化させる意味でも、
しっかり寝ていることが、
認知症に強い脳を作るということになります、
寝ていると脳へ行く血流が増えて、
記憶に関係する海馬の毛細血管も増えて、
神経細胞を活性化されるのです。
さらに脳由来栄養因子という物質が増えてきて、
神経細胞がネットワークを作りやすくなるのです。
ただ年齢とともに睡眠時間と睡眠の質が変わって
浅い睡眠になってきます。
だから熟眠感がなくとも大丈夫なのです。
しっかり長い時間寝ないといけないと思ってしまいますが、
時間ではなく質のいい睡眠であれば、いいわけです。
睡眠導入薬を使うと
認知症になりやすいのではないかと思っていて、
なかなかその使用に抵抗感を覚える人も多いものです。
しかし、眠らないよりも、
睡眠導入薬で眠れるなら、
薬で寝てしまったほうがいいのです。
また昼寝も1時間以内であれば、
認知症になりにくくなることがわかっています。
寝るということを、脳にとっては非常に大切なものだと理解して、
しっかり寝るようにしましょう。 |