米山公啓  脳とからだの健康方程式

今日から変えること

第38回
指先感覚を鍛えてみよう

触覚というのは、普段あまり意識しないでしょう。

たとえば、表面がざらざらしているかつるつるかを感じるには、
目を閉じて指先だけの感覚に集中するはずです。

脳というのは同時にいろいろな感覚の処理ができません。
ひとつの感覚を集中させるには、
他の情報をカットしないといけないのです。
普段あまり意識していない触覚を
たまにはとぎすませてみましょう。

ポケットの中にある100円玉と10円玉を指先の感覚だけで、
100円か10円か、区別してみましょう。

簡単なようで素早く判断するには意外に難しいものです。
これを今度はお札でやってみましょう。
お札が見えないようにして、
1万円か1000円かを区別してみましょう。
紙になると硬貨よりかなり難しいはずです。
お札の大きさもいつもは意識していないので、
実際にやってみるとなかなかわからないはずです。

私たちが普段いじっているものでも、
感覚を制限してやってみると、意外に難しいことがわかりますし、
その難しいことをクリアしていくことで、
感覚がとぎすまされると同時に、
脳の中に新しい感覚エリアができていくのです。

バイオリニストが
右手の小指で弦を押さえる動作をくり返していくと
脳の運動神経の中枢が大きくなることがわかっています。

つまり外からの新しい刺激によって、
脳が変化していくのです。
指先感覚だけで、
いろいろなものが識別できるようになると、
脳の中の感覚神経の中枢が大きくなっているということなのです。

普段使わない感覚を刺激していくことは、
脳の中に新しいネットワークを作り出すことになり、
それこそが脳を活性化していくのです。
ただし同じことの繰り返しでは、
脳の刺激にならなくなります。
常に新しい感覚の刺激が必要なのです。


←前回記事へ

2009年12月14日(月)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ