第48回
思い出の場所を訪ねる
子供の時の記憶は非常に鮮明に覚えているものです。
つい最近のことより、
30年も40年も前のことはしっかり記憶しているのは、
不思議な感じがします。
認知症の治療に、「回想法」と言って、
若いときに過ごした家などを再現して、
そこへ連れていき元気にさせるという治療法があります。
それほど過去の記憶は脳に刻み込まれている、
つまり脳科学的には
神経細胞どうしがしっかり結びついているんのです。
過去の記憶はさらに感情と結びついているので、
消えることはないのです。
自分が卒業した小学校や中学校へ行ってみましょう。
木造校舎が残っていればいいですが、
なかなかそれは難しいかもしれません。
しかし、校舎がなくとも、
校庭や通学のときに歩いた周囲の町並み歩くだけでも、
昔のことを思いだします。
実際にその場に行くことで、
脳の中で考えていた過去のできごとは、
違ったものになるかもしれません。
というのも、過去の記憶が意外に曖昧で、
思い出すたびに変化していくことが最近わかってきたのです。
それだけに、頭の中だけで過去を思いだすだけではなく、
実際に昔の空間の中に身を置くことが、脳を刺激して、
記憶の断片をつなぐことになるはずです。
同窓会で仲間と話ってあっていくうちに、
仲間が思ってもいないことを覚えていたり、
話していくうちに、
忘れていた記憶がしっかりよみがえってくるはずです。
だから、何度も行っているところへ行ってもしょうがない
と思わず、新鮮な気持ちで
子供の頃過ごしたところへ行ってみると、
新しい発見があるかもしれません。 |