第64回
絵手紙を書く
最近は手紙を出すことは減ってしまったでしょう。
事務的なものであれば、電子メールで終わってしまうので、
手書きで書くのは、
何か書類にちょっと名前を書くくらいしかないかもしれません。
人間の脳は使わなければ退化して、機能を失っていきます。
手紙を書くときには、パソコンで書くのとは違い、
自分の脳だけでやらねばなりません。
漢字を思いだし、それを文字として書いていきます。
パソコンでやっている場合ならキーボードを押すだけですから、
ずいぶん使っている脳の場所は違っているはずです。
文字の記憶、文字を書く手の動きなど、
かなり脳を広く使っているはずです。
普段手書きで文字を書くチャンスがなければ、
逆に新鮮な感じがするかもしれません。
さらに絵手紙となると、絵も描くのですから、
脳をさらに広く使うことになります。
視覚的な脳の使い方は、
見るときに活発になる脳の場所と、
何も見ないでイメージするときに活動する場所は
同じ場所ということがわかってきました。
つまり何も見ないで、山のイメージを思い浮かべるとき、
実際に山を見たときの視覚的な刺激と同じことになるのです。
だから絵手紙を書くとき、できるだけイメージを広げて、
旅行へ行ったときに見た風景をアルに思い出してみましょう。
文字を書くということ、
漢字を思い出すこと、絵を描くためにイメージを広げること、
これだけのことを脳が同時にやっていくのですから、
パソコンでメールを送るとはずいぶん違っているはずです。
普段使っていない脳の場所を刺激しておくこと、
これも認知症の予防になっていくはずです。
せめて週に1枚くらい絵手紙を描いてみましょう。 |