第92回
車内で何を考えるべきか
景気が悪くなるとやたらに効率を求めるようになります。
経費削減がいろいろなところに及んできます。
私自身、大学病院で研究をしているとき、
研究費を減らすためにコピー代は
自腹を切れと言われたことがあり、
これで研究も自由にできなくなったと思いました。
研究は自由がないと、画期的なものは生まれません。
そうなってくると発想も貧弱になり、
研究への意欲もなくなってしまいました。
仕事でも同じことで、無駄なこと、
今すぐに役立たないことの中に、
将来大きな仕事につながることが隠されていたりするものです。
最近の日本の会社から、
画期的な新商品が生まれにくくなっているのは、
効率を求めすぎて無駄がなくなってしまったからでしょう。
通勤時間を無駄にしないようにビジネス書を読んだり、
仕事に関係する資料を読んだりということになるかもしれません。
しかし、ここは割り切ってむしろ仕事とは
まったく関係のないこと、
すぐには役立ちそうもないことをやってみましょう。
趣味の本を読むとか、歴史書を読む、
あるいはiPadで新しいゲームをやってみるとか、
できるだけ仕事から脳を解放すべきです。
常に仕事に役立つかどうかで、
物事を判断していると、
次第に思考が単一化してきてしまいます。
仕事とは関係のない世界で頭を使うことで、
そこから生まれてくるのは、
仕事で行き詰まっていた問題の解決方法かもしれないのです。
上司からの命令、自分の仕事のためというような、
規制されたことではない自主的な思考、行動とってみましょう。
見えていないものを見るには、
無駄な行動をやってみることです。 |