第93回
電車の中でできること
人はある程度拘束された環境のほうがいいアイデアがでてきます。
例えば会議中なども会議のテーマに関して、
いいアイデアがでないのですが、
退屈してきて、まったく関係のないことを考えると、
意外にいいアイデアが出たりするものです。
拘束された環境というと大げさですが、
電車の中や車の中というように、
どうしてもそこにいなければいけないような状況になると、
そこから脱出したいという思いが強くなるので、
脳は空想を始めるのです。
現状とは関係のない世界に気持ちを持っていくことで、
そこから逃れようとしているのです。
朝の通勤電車の中では、そこから脱出することはできません。
我慢しなければいけない環境ですから、
脳も他のことを考えるようになるのです。
そんな状況で、
できるだけ仕事とは関連のないことを発想してみましょう。
通勤というと仕事モードに
次第に切りかわってしまうかもしれませんが、
できるだけ、目の前にある広告などから、
ユニークな発想してみましょう。
薬の広告であれば、
自分がその薬を飲むシーンを思い浮かべます。
その薬がどんな作用があるのか、
からだにどう影響するかなど、
どんどん想像をふくらませてみましょう。
発想というのは、
そういった関連することから広げていくほうが簡単です。
からだの自由がきかない電車の中で、
いかに脳の中を別な世界へ持っていけるかが、
発想をユニークにできるコツなのです。
発想というと、自由にできるほうがいいと思うかもしれませんが、
まったく手がかりがなく自由な発想はむしろ難しいものです。
拘束された状況で、
なんとかそこから気持ちだけは抜け出したいという気持ちで、
発想を続けていけば、
よりユニークな発想力を養うことができるのです。
|