米山公啓  脳とからだの健康方程式

今日から変えること

第108回
はまってしまう脳

最近、また芸能人が薬物使用で逮捕されています。
またあの人がという感じで、
同じ芸能人が、逮捕されています。

どうして法律に触れることでありながら、
同じ過ちを犯してしまうのだろうかと、
不思議に思ってしまいます。

人間の脳は本能的な欲望を、
大脳皮質の働きである理性が抑え込んでいます。

そのコントロールが利かない状態が、
薬物に対する渇望ということです。

渇望と言っても、なんとか抑えられるものではないかと、
思ってしまいます。
しかし、砂漠を3日間、
水なしで歩いている状態を考えてみてください。

とにかく水が欲しいと思い続けているでしょうし、
水がもらえるならなんでもする、
そんな気持ちになっているのではないでしょうか。

薬物への渇望とは、まさにこんな感じなのです。
食事、睡眠、水など
人間の根源的な欲求と同じレベルになってしまうので、
それを抑制することが難しいのです。
それこそがまさに「はまる」という状態なのです。

脳科学的に見ると、薬にはまってしまった脳は、
それ以前とは構造が違っているのです。
薬物に非常に敏感になっていますし、
薬物を使ったときの快感の記憶は強烈に残っていくので、
自分でコントロールできずに
(つまり理性で抑えることができずに)、
再び薬物を使ってしまうのです。

はまる人は、ストレスをうまく解消できないとか、
薬物使用などに期待感が大きすぎるとか、
自分の行動をうまくコントロールできずに、
無力感が強いなど性格の問題もあると考えられています。

またこういったはまる状態を作り出すのに、
時々の刺激のほうが効果が強くでるのです。
つまり脳は飽きやすいので、
ずっと同じように続けていると飽きてしまうのです。

ギャンブルのように時々勝つというようなタイミングであると、
勝ったときの快感が強くなっていくので、
はまってしまうのです。 





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2010年9月24日(金)

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