第109回
株価と認知症の関係
このところ株価がなかなか戻って来ません。
ここのところ多少上昇傾向ですが、
まだまだリーマンショック以前のレベルには
ほど遠いというところです。
経済状態と病気は、
まるで関係のないことのように思ってしまいますが、
経済状態がよくなると、減っていく病気があるのです。
感染症は経済状態がよくなれば、
減っていく病気の典型です。
衛生状態や食生活の改善によって、
直接、抗生物質による治療がなくとも、減っていくのです。
日本の肺結核も、
特効薬であるストレプトマイシンが
普及する前から減少しているのです。
これも経済状態の改善によって、
衛生的な環境になったことと、
食生活の改善が関係あると考えられています。
認知症でも同じようなことが起きています。
アメリカでは認知症が、1993年から2002年までの間に、
発症率が12.2%から8.7%に低下しているのです。
これは以前に比べて、
高齢者の教育水準と経済状態が向上したことによって、
1990年代に増加してきた高血圧症、
脂質異常症といった
認知症のリスクを減らす努力がなされたことと、
喫煙率の低下が関係あると考えられています。
これはまさに株価の上昇によって経済状態が改善したからこそ、
健康に気配りができるようになったのです。
努力することにより、
食生活の改善や、禁煙、運動ということが、
認知症の発症を減らすことができることを意味しています。
ただあまり豊かになると、
食べ過ぎて運動が減ってきてしまいますから、
ある程度のレベルまでの改善ということではないでしょうか。
人間は自分の欲望をうまくコントロールすることが
非常に難しいものです。
なんでも手に入るというレベルになると、
自己コントロールは難しくなります。 |